週刊ケアカルテ創刊号の『介護の取り組み』でご紹介したレジデンス花さん。自然の中での介護がとても印象的な施設でしたが、開設当初から〈ちょうじゅ〉をお使いいただいています。今ではケアカルテに移行済みで、ますますご活用いただいているとのことです。ケアカルテの活用方法について介護課課長の澤野様にお話を伺いました。
ユニットではワークシートを活用
––ケアカルテを使用してよかったことはありますか?
手書きのものが減っているので、記録時間が短縮でき業務の省略につながっていて、入居者様とのかかわりの時間が増えました。項目別の記録が入力しやすいですね。ワークシートは「実施」「未実施」の選択と時間の変更だけの操作なので、ユニットでよく使っています。
––日常生活での必要なことは全部指示が出ていて、ワークシートで実施していくという感じですか?
主にケアプランからの指示であったりとか、機能訓練や口腔ケアに関してもそれぞれ指示出しをしていて、ワークシートで実施状況を入力しています。ケアプランの変更があった際は、指示内容を見直します。
例えば排せつケアの場合、全介助でパットの交換をさせていただいている方には、あらかじめ介助レベルやケア内容を登録してありますし、ご自分でトイレに行かれる方は、行ったことを確認した際に随時入力するかたちです。
ワークシートでの実施状況の入力や一部ケア内容の変更だけならそれほど時間がかからないので、ワーカーさんなど慣れている人は「ひとつケアして記録」って感じで使用していますね。
1ヶ月単位の検索で家族連絡もスムーズに
––便利だと思う機能はありますか?
自分は特に「検索機能」を使っていますね。知りたい情報だけを検索でき、ケアに活かせます。
例えば、〈排泄時間、尿量等〉を検索してトイレのお声掛け(トイレ誘導)時間やパット交換時間の見直しをしたり。
体重が減っている方の〈体重〉と、食事の量などを〈食事〉と〈食事特記〉をいっしょに選択して1ヶ月単位で検索したりもします。食事の量が少ないので体重が減っているのか、食事はたくさん召し上がられているけれど体重が減ってしまっているのか…。1ヶ月の体重の推移や食事量を検索して、栄養の吸収や、ほかの何らかの原因での病気の可能性をご家族にお伝えするときに活用しています。
ーご家族に説明するときは、電話口で検索画面を見ながらお伝えすることが多いですか?
そうですね。家族連絡は、自分やもう一人の課長がおもに対応しているのですが、ご家族に「どんな様子ですか?」と聞かれた時に〈食事特記〉や〈生活特記〉を検索にかけて「この1ヶ月はこんな感じのご様子ですよ」「お食事はこんなご様子ですよ」と電話で伝える感じですね。なので、〈特記事項〉に記載があるとお伝えしやすくていいですね。
ご家族がいらしゃったときにも、記録検索で絞り込んだ情報を印刷して説明することもあります。
ー〈体重〉や〈食事〉以外でも検索機能を活用されていることはありますか?
1ヶ月の事故報告を分析してまとめるのですが、1ヶ月単位で事故帳票の検索ができるので、全部印刷して集めることができて便利ですね!
〈事故〉と〈ヒヤリ〉を検索することで「このようなヒヤリが続いていて事故の可能性があります」とか「前回はこういう事故があり繰り返されています」といった内容を説明するときに使っています。
ー変移をおって説明するときに記録が時系列に表示されるので、見ながら説明しやすいですよね。
そうですね。
あとは、カスタマイズで追加している「健康管理特記」をみることで、ご本人様の歩行状態やさまざまな症状などの健康状態を付け加えて説明することもできます。
直近で変化があった場合は1週間や2週間の短い期間で確認することもあります。
使わないなんてもったいない! 検索機能は万能です!!
ーケアカルテには温度板や排泄注意者のグラフなどもありますが、さっと見れる記録検索を使うことが多いですか?
検温や体重などがグラフで出る温度板などは、看護課が嘱託医の先生に診てもらうときなどに出したりします。体調の変化があって気になる方の記録を温度板などのグラフを印刷して先生にお渡ししたり、ご家族の方にもグラフで変移を見ていただくこともあります。
でも、さっと調べたいときなどは、どの画面からも呼び出せる「記録検索」を使うことが多いですね。
ー検索機能をあまり使われていないユーザー様もいるなかで、レジデンス花さんでの活用方法は理想的ですね!
そうなんですね。使わないなんてもったいないですね! 記録検索は本当に万能です!!
ー検索機能はほかの職種でもお使いになられていますか?
デイサービスでも使っているようですね。
記録検索で入浴の回数などを確認しているそうです。提供表もありますが、1週間などの短い期間で検索したり、最終確認では1ヶ月単位で検索してるとか。入浴以外でも全般的に記録検索は活用していると聞いています。
ご家族から「受診するために提出する記録を1ヶ月単位でほしい」とのご要望もあるそうで、そういうときにも検索から表にしてご家族にお渡ししているそうです。
取材を終えて、レジデンス花さんでは現場での記録入力は「ワークシート」でサクサクと、報告や家族連絡などは「検索機能」でさっと対応!と、ケアカルテの機能を効率的かつ理想的に活用にされている様子がよくわかりました。
今まで検索機能をあまり使用していなかったユーザー様にもレジデンス花さんの活用方法は参考になったのではないでしょうか?
記録検索機能は、請求メニューや日常記録以外のどの画面からも呼び出しができるとても便利な機能です。本号のケアカルテ機能紹介でも「記録検索機能の小ワザ」として紹介していますので、こちらの記事もぜひご覧ください!
そして、YouTube「ケアカルテチャンネル」では、お笑い芸人のいかちゃんがレジデンス花さんを訪問した様子(全4話)を動画配信中です! 初めて特養施設を訪問したいかちゃんが、陶芸レクに飛び入り参加したり、介護リフト体験を体当たりでリポート! 施設長との対談も必見です。ぜひご視聴お願いします。
創刊号での介護の取り組みの記事はこちら
『自然の中でごく普通の生活をしもともと持っているものを引き出す』