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Case Study

導入事例

業務量を減らし 記録量は倍増!
経営層が求めた記録のためのカスタマイズとは

社会福祉法人 佑啓会

千葉・東京の21拠点で、知的障がいをもつ子どもから高齢者まで幅広く支援をする「社会福祉法人佑啓会」。独自の採用活動イベントや「障がい福祉を学び広める」というコンセプトで運営する学びの場など、さまざまな事業を展開しています。
同社がケアカルテ(前身のクレヨン)を導入したのが6年前。導入時からの効果や具体的な活用例を、常務理事 里見吉佑(さとみ きちゆう)さんに伺いました。

社会福祉法人佑啓会 常務理事 里見吉佑(さとみ きちゆう)さん

圧倒的なカスタマイズ力が選んだ決め手

―ケアカルテを導入するに至った経緯を教えてください。

当時は私も現場の支援員として働いていたのですが、ICTを導入した理由は単純に「とにかく楽をしたい」ということでした。請求業務の中でも色々な無駄を感じており、もっと効率的になるシステムを導入すべきじゃないかと常々考えていたのです。当初、経営幹部に相談したところ「そんな高いものを入れられない」と反対されてしまいました。そこで、他社の施設へ見学に行ったり、実際に既存システムにかかる工数を算出してどれだけ効率化が図れるかを調べたりして、再度プレゼン。上層部も納得し、導入が決まったのが6年前です。ケアカルテ(前身のクレヨン)を選んだ決め手は、”カスタマイズがしやすく自社の思い通りのシステムができる”という部分が圧倒的に優れていたからです。当時も記録と請求の連動を謳うシステムは他にいくつかありましたが、一度記録データを出力して請求側に取り込まないといけないものがほとんど。クラウド上で直接データが連携する仕組みを持ったシステムはケアカルテだけでした。
あとは、営業担当の岩崎さんとシステム担当の諸星さんと波長があったのも大きな理由です。どんなことでも相談に乗っていただけて、その度に親身に対応してもらえました。契約時に「”担当者を変えない”と一筆入れてください」と頼んだくらいです。
 

―システム導入にあたり苦労したことはありましたか?

当法人は障がい福祉でも対象が子どもから高齢者まで幅広く、求められる記録もそれぞれです。それを法人としてどのように統一していくかという点で苦労しました。
システムは、カスタマイズして一番良い形を探りながら作っていきました。今でも「ここは困ったな」とか「ここをこうしたいな」と思いついたことはすぐに要望を出し、その都度対応していただいて、とても助かっています。


 

各事業所にシステムに詳しい人をつくる

―導入時に工夫したことはありますか?

ケアコネクトジャパンさんに全事業所で研修をやってもらいました。ただ、職員数も多い当社ではそれだけでは不十分だと感じたので、各事業所に「ケアカルテチーム」として若手職員を出してもらい、最初の頃は1ヶ月に3回ほど集まって実際にどこまで導入したかフォローアップしあったり、その後も定期的に集まって使い方の情報共有をしたりと、工夫しました。
ケアカルテのことは、各事業所の「ケアカルテチーム」の人に一番詳しくなってもらい、「困ったらその人に聞く」という形で事業所の中で展開していき、全体のベースアップを図りました。分からないことを確認できる人が近くにいることで、現場職員もどんどんシステムを使っていこうという意識が高まり、周知に効果的でした。
 

―新しいシステム(前身のクレヨン)導入時に職員さんからの反発などはありませんでしたか?

新システムの導入に抵抗のある人もたくさんいました。ただ、間接業務に無駄があることは誰もが感じていたので、実際に半年から1年くらい経った頃にはみんなが「導入して良かった」と実感できたように思います。特に、若手職員からは「入れてくれてありがとうございます。かなり業務が楽になりました!」という言葉もいくつかもらいました。
またコロナ禍で記録の共有など顔を合わせてできない状況には、システム導入して良かったと強く感じました。

ケアカルテを導入後 短時間で以前の数倍の記録量に

―導入した直接的な利点をお聞かせください。

時間の削減はもちろんですが、紙への記入作業がなくなり、いつでもどこでもタブレットで記録入力できるので、全体の記録量が数倍になりました。介助の合間や夕方に残ってまとめて記録をつけていた頃と違って、活動の支援、送迎、食事、その都度タブレットにポンポンっとリアルタイムに記録を細かく入力することができます。おかげで記録に抜け漏れがなく、請求時にもミスが減りました。
また、記録量が増えたことで、利用者さんの行動分析にも活用できるようになりました。たとえば「Aさん、今日パニックを起こしてしまったんだけど、どうしてだろう?」と話し合うときに、前後の細かな記録や日々の行動一覧で状況を確認して、「どうも昼食後にパニックになることが多いね、ここに手を打とう」と、より正確に分析ができるようになったのです。
以前使っていたシステムは動作がとても遅く、さらに事業所ごとに別々に入っていて全く連動していませんでした。たとえば、日中活動支援にいた利用者が宿泊をするから別の建屋に移動するという時は、その度に紙のファイルを持ってやりとりしていました。それが今はタブレットに全て情報が入っているので、情報共有もかなりスムーズになりました。

経営にまつわる数字も一発で出せる

―現場職員の動きだけでなく、経営に役立っていることはありますか?

オプションで法人集計のシステムメニューを入れました。法人の運営に関する各種数字データが一発で集計できる機能で、とても重宝しています。
福祉事業所をやっていると、色々なところから法人の構成員の数字や利用者の属性数字などのデータ提出を求められます。以前は都度、各事業所で管理していた数字を帳票から手作業で引っ張り出して計算していましたが、今は数分で簡単にデータが出せます。”なんとなく”把握していた数字が、手間なく正確に出せるようになりました。
 

―記録やシステム活用に向けた今後の展望は?

今年度はICTを横断的につなげていき、よりスマートなシステムを作っていこうと思います。ケアカルテ単体だけでなく、Googleワークスペースやデータ共有、電子決済のシステムなど、さまざまなICTツールを使い分けていきたいです。
たとえば、ケアカルテは記録に特化して、記録以外の部分は別のツールとつなげながらより精度の高いデータを出すなど、使い方を工夫していこうと考えています。
今後も、カスタマイズに付き合ってもらえるとありがたいです。

お話を聞いた施設

社会福祉法人 佑啓会
サービス 入所支援、グループホーム、日中活動支援、就労支援、相談支援、障害児支援(2022年8月現在)
住所 〒290-0265 千葉県市原市今富1110-1(本部)
電話番号 0436-36-7611
サイトURL https://yukeikai-fg.jp/

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