ケアコネクトジャパン現地法人 ケアコネクトベトナムよりベトナムの情報を紹介します。
ベトナムでオフィスランチと言えば皿メシ
昔から外食産業が発展しているベトナム。
朝は店でフォーやブンといった汁米麺を食べたり、露天でベトナム風フランスパンサンドイッチのバインミーを買って職場で食べたり。そしてお昼と言えば大衆食堂の皿メシです。
皿メシは料金一律のことが多く、1皿だいたい35,000~45,000ドン(約190~230円※)。お店に入ったらまずはずらっと並んだおかずから1品を選んで店員さんに伝え、空いている席につきます。するとものの2~3分で白飯と野菜炒め、おかずがのったお皿とスープが運ばれてきます。
ベトナムは「箸文化」のためテーブルにお箸が備え付けてありますが、大衆食堂ではスプーンとフォークで食べるのが一般的。お店によっては、席に着くと同時にお手拭きと冷たいお茶(ハス茶やジャスミン茶)が出されます。お茶は無料ですが、お手拭きはどこでも有料で3,000ドン(約17円※)ほど。
※2022年4月時点 1,000ドン(VND)約5.67円
メニューは日替わりで飽き知らず
メニューは肉・魚・野菜の料理が日替わりで並びます。ベトナムで大衆食堂へ行く機会があれば一度は試したいのが、タレに漬け込んだ豚ロースの炭火焼き。店頭には炭火に焼かれたお肉の香りが漂い、客の呼び込みに一役買っています。日本の焼き鳥屋さんや鰻屋さんに似ていますね。
日本料理の醤油の位置づけにあるのが魚醤のヌックマム。料理の味付けやつけダレに使われ、ベトナム料理にはなくてはならない調味料です。鶏肉は骨付きかつ歯ごたえのある方が好まれ、慣れていない日本人だと味は美味しいけれど食べるのに一苦労することも。魚は海の魚も食べられますが淡水魚の方が種類が豊富で煮つけ、スープ、素揚げのほか日本人にも馴染みのあるさつま揚げなどもあります。
魚が好きな若者も多い
ベトナムでは白飯を食べる時にはスープは必須ですが、これは水分が少なくパラパラとしたインディカ米が主流であることも関係しています。皿メシのスープは葉野菜や冬瓜などの具が少し入ったあっさり味。そのほか、ゴーヤの肉詰めスープやタマリンド(マメ科の果物)や、トマトの酸味が効いた白身魚のスープなどは食事のメインをはる料理で大衆食堂でも人気です。
なかにはお弁当派も
同僚と連れ立って大衆食堂へ行く人もいれば、自席で手持ち弁当を食べる人もいます。ケアコネクトベトナムの社員でお弁当派のみなさんにお話を聞きました。
愛妻弁当を持参しているトンさんのこの日のメニューは、牛肉のもやし炒め、わかめスープと白飯。お弁当派の理由をきくと、「妻の手料理が好きだから」と素晴らしい回答!お弁当はいつも濃い目の味付けのおかず1品とスープ、お昼にオフィスの電子レンジで温めます。
ニャットさんのお弁当は、卵入り豚の角煮とナスの甘辛煮。豚の角煮はベトナム南部の家庭でよく作られる料理。ほろほろに柔らかくなったお肉と煮汁が白飯によく合います。
トゥイさんはお肉の煮込みとサラダとヘルシーなお弁当です。
お弁当箱はガラス製の容器が主流
ベトナムではいわゆるお弁当箱ではなくガラス製の容器を使う人が多いようです。
トゥイさんによると、ガラス製はプラスチックに比べ丈夫だということのほかに、ベトナムでは粗悪なプラスチック容器も多く出回っているため、熱い料理を入れたり電子レンジにかけた時に有害物質が溶け出すことを心配する人が多いとのこと。バイク通勤だと多少重い容器でも持ち運びに不便を感じなさそうですね。
フードデリバリーが普及したのは日本より先!
以前からバイクタクシーのドライバーが個別にお客さんに頼まれて飲食店から食べ物を配達することはありましたが、2019年頃からフードデリバリ―サービスに企業各社が参入して急成長。今では大手4社ほどがシェアを分け合っています。コロナ禍でフードデリバリーが一層勢いづいているのは世界各国に共通しているようです。
デリバリーをよく利用するというサンさんによると、ホーチミン市内中心部だと15~30分で注文した商品が届くとのこと。お昼前や午後2、3時頃に同僚に声をかけてまとめて注文することもしばしば。まとめて注文すると配送料の割引サービスもあるそうです。
注文方法は、日本とほぼ同じでスマートフォン専用アプリからお店やメニューを選択。
アプリには所要時間、配達車のバイクナンバー、顔写真、電話番号、地図と現在地などが表示されるのも同じです。ただ、少し違うのが置き配がないのと、現金での代引きが好まれているところ。サンさんいわく、キャッシュレス決済もあるけれど、商品を受け取る前に決済するほどまだサービスを信用しきれていないそうです。
小腹が空いたときは何を食べる?
午後2、3時ともなれば小腹が空きますよね。日本ではコンビニでスナックやチョコレート類を買って食べたりすることが多いかと思いますが、ベトナムではフルーツやカフェ類、ベトナム風ぜんざい、生春巻き、バナナのフリッターなどの調理品を行商から買ったり、デリバリー注文します。
なかにはチュンズアという変わり種も!チュンズアはアヒルや鶏の有精卵で一定期間温められたもののヒナが形成されなかったもの。主にベトナム南部のメコンデルタ地方で食べられているもので、2017年頃からホーチミン市でもちょっとしたブームになり広く売られるようになりました。
孵化間近の卵は東南アジア諸国の珍味としてよく知られていますが、チュンズアはまだ知らない人も多いでしょう。中身は白身と黄身が混ざり合い一体化し、これを茹で卵にしていただきます。
指さしOK!ベトナムへ行ったら試したい安くておいしい皿メシ
皿メシ派のニンさんは、大衆食堂のメニューが豊富でその時の気分でおかずを選べ、スープが無料でついてくるのも魅力だそうです。また、外へ食べに行くのは気分転換や運動にもなるとのこと。
ホワイトボードに「本日のお品書き」がある店もありますが、もちろんベトナム語表記のみ。そのためお店へ行ったら、順番待ちの間に遠目からどんなおかずがあるかを見ておきましょう。前に並ぶお客さんたちが何を注文するのかを観察するのも美味しいメニューを選ぶコツ。
日本人は淡水魚の味が苦手な場合もあるので、初めて行くならお肉が無難。お肉も種類が多いので迷うかもしれませんが、そんな時は前述した豚ロースの炭火焼きをぜひ!
言葉が分からなくても心配はいりません。注文はおかずを指さすだけ!お会計は食後に出入り口で、またはテーブルで。皿メシが一律価格なのは簡単でうれしいですね。お手拭きを使った時は+αで料金かかるので要注意!
最近の大衆食堂は一昔前に比べて衛生的になり、外国人でも抵抗なく入れるお店が増えました。ランチタイムの喧騒はちょっと気が引けるということなら、カフェの皿メシがおすすめ。メニューの種類は少なくなりますが、静かな店内に間隔が置かれたテーブル席で落ち着いて皿メシが食べられます。
コロナが落ち着きベトナムを訪問する機会があれば、現地の人々に交ざってベトナムの日常を体験してみるのはいかがでしょうか。おしゃれなレストランでベトナム料理を食べるのも良いけれど、大衆食堂にはレストランでは味わえない国民的メニューがたくさん。皿メシから広がるベトナムの世界をぜひ体験してみてください!