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Long-term care Efforts

介護の取り組み

まずは ”障害福祉を知ってもらう” ために
福祉イベント「Tasuku Fukushi 2023」

社会福祉法人 佑啓会

社会福祉法人 佑啓会が主催する福祉イベント『Tasuku Fukushi 2023』が、2023年3月11日(土)に秋葉原(アキバ・スクエア)で開催されました。
障害福祉業界に興味を持つ学生に向けて”障害福祉や仕事の魅力を伝えたい”という想いを胸に2019年から活動を始め、今年で5回目を迎えた当イベント。今回は200名を超える学生が参加しました。
障害福祉をテーマに開催されるイベントはそう多くはないと言われていますが、参加した学生の皆さんは貴重な体験を通じてどのような感想を抱いたでしょうか。そしてイベント主催者側である佑啓会の皆さんが学生に贈りたいメッセージとは。当記事ではイベント当日の様子をご紹介します。
 

『Tasuku Fukushi』とは

佑啓会の若手職員が中心となり、企画運営する障害福祉のイベント。
スタートしたきっかけは、他社の採用イベントを目にしたときに「自分たちの法人だけでも同じことができる」と感じたことでした。”Tasuku”は佑啓会の「佑=たすく」から名前が付けられています。
 

イベントプログラム

今回のイベントは、前回よりもさらに内容をスケールアップして開催されました。

プログラム1 里見常務理事が見据える障害福祉の今後について
プログラム2 佑啓会の施設で働くスタッフの1日を紹介する映像の上映
プログラム3 テーマ別ブーストーク

イベントプログラム1つ目では、佑啓会の里見常務理事が障害福祉の未来のことや佑啓会の取り組みについてお話しくださいました。
 

未来の障害福祉業界を支えるために大切なのはニーズに応えること

お話をする里見常務理事とMCの玉田さん・瀬山さん

障害福祉の変化

(里見常務理事)
今後は障害福祉サービスの利用者がさらに増加していくと思います。その理由の一つとして医療技術の進歩によって助けられなかった命が助けられるようになり、重度の障害者が増えていること。もう一つは今まで障害と認められなかった方達が、社会認知の広がりにより障害として認められるようになってきていることが挙げられます。業界の実態が変化していくと障害福祉制度の大規模な見直しも必要になってきます。社会福祉法人もそれに合わせて変化していかなければならないと感じています。
 

業界の変化を受け入れるために佑啓会が目指していること

(里見常務理事)
佑啓会では利用者のニーズに応え続けることを目指しています。今サポートが必要な人に必要な支援を届ける。今支援している利用者のニーズに応え続けることはもちろん、社会全体で不足している資源を整備していこうとしています。具体的には今、大きく三つあります。

●障がい児の入所施設
社会情勢の変化の中、家庭で過ごすことのできない障がい児の受け入れ施設が足りていない現状があります。佑啓会でも2つの入所施設がありますが、開所してすぐに満床になってしまいました。児童相談所には今も入所を必要としているケースがたくさん待機していると聞きます。そういったニーズに応えるため、佑啓会では今後さらに児童の入所施設を2つ建設予定です。

●重心(重度心身障がい児/者)のニーズ
重心のニーズも数多く受けていますが、まだまだ制度の整備が必要だと感じています。既存の体力で受け入れられるケースには応えていますが、まだまだここのニーズが高いと思います。

●強度行動障害に対するニーズ
最後に強度行動障害者に対する居住支援。軽度の利用者を受け入れるグループホームは増えてきていますが、障害特性の難しいケースについての受け入れ施設はまだまだ少ない状況です。今、 3つの施設で強度行動障害の方を受け入れていますが、こちらもまだまだ待機者が多い状況で、今後の整備を予定しています。
 

佑啓会が求める人材・学生に向けてのメッセージ

(里見常務理事)
佑啓会では、未来の障害福祉業界のニーズに応える協力をしてくれる方、また人が好きでみんなで何かをするのが好きな人材を求めています。そして、そんなスタッフと一緒に働きたいと思っている方にはぜひ来てほしいと思います。
業界のイメージは知るだけでも変わります。これから一般企業に就職しても障がい者が近くで働くことがあるでしょう。このイベントを通じて障害福祉のことを少しでも理解してもらえたらと思います。イベントに限らず色々な体験に時間を使い、社会に出た時に武器になることを1つでも多く身につけてほしいです。
 

入社2年目職員の勤務日の過ごし方とは

イベントプログラム2つ目では、新卒入社2年目でふる里学舎こども館に所属しながら放課後等デイサービスで主に児童支援に携わっている坂下支援員の1日密着動画が上映されました。動画では勤務中以外に業務終了後の様子も紹介され、”社会人2年目のリアル”が伝わる内容となっていました。

【動画の内容】
・障害を持つ子どもたちと楽しく遊ぶ様子
・現場の業務と委員会業務をこなす様子
・仕事が終わり、家に帰って晩酌をしながらインタビューを受ける様子
・翌朝仕事に向かう車の中でインタビューを受ける様子

勤務中の様子からプライベートまで、TV番組仕立てで上映されました

坂下さんの1日の紹介動画は、各業務の魅力や現場のことだけでなく、私生活の様子から家賃のことまでお話しされていました。
上映後に行われたMCとのトークでは、2年目職員としての働き方や心の持ち方を赤裸々に語られており、学生たちは真剣な様子で真面目にメモを取るなどして自分たちと歳の近い先輩社会人の話から多くを学び取ろうという気合のようなものが感じられました。
 

テーマ別のブースで”障害福祉”と”佑啓会”を知る

プログラムの最後に開催された『テーマ別ブーストーク』。
ブースはテーマごとに10箇所(ケアコネクトジャパンを含む)用意されており、学生が自由に4箇所を選んで参加する形式です。今年は私たちケアコネクトジャパンもブースを出展し、イベントに参加した学生や佑啓会への就職が決まっている内定者に”ケアカルテ”と”ハナスト”を体験していただきました。

設けられた10のブースには大勢の学生が訪れ、賑わいを見せていました。ブースを回る学生たちに、ケアコネクトジャパンのスタッフがイベントに参加したきっかけやケアカルテを体験した感想についてインタビューしました。
 

ーイベントに参加したきっかけを教えてください。

(福祉系大学の学生Aさん)
障害福祉施設の利用者にどういう支援を行なっているのか、障がい児〜高齢者の人生をサポートしている部分について興味を持っているので、佑啓会の支援に惹かれてイベントに参加しました。

(デザイン学校の学生Bさん)
私は障害福祉を学んだことはありませんが、今回は友人に誘われて参加しました。

(女子学生Cさん)
佑啓会のインターンシップに参加したときに魅力を感じたので、今回のイベントにも参加しました。
 

ー「ケアカルテ」のことをご存じですか?

(福祉系大学の学生Aさん)
「ケアカルテ」という言葉自体は聞いたことがあります。

(デザイン学校の学生Bさん)
ケアカルテのことを聞いたことはありませんが、入力インターフェースがとても考えられていると思います。実際に障害福祉の現場がここまでシステム化されていると思っていなかったので、非常に参考になりました。

(女子学生Cさん)
ケアカルテを触ったのは今日が初めてですが、記録を取るときに手書きだと時間がかかると思うので、名簿をクリックするだけで記録と管理ができるのがすごく良いと思います。
 

ー学校でICTのことを学んだり、考える機会はありますか?

(福祉系大学の学生Aさん)
学校でICTを学んだ機会は今のところありません。

(保育系学校の学生Dさん)
実習では基本、紙で記録していて、ICTについてはあまり考えたことがなかったです。連絡帳などは手書きのため、保育の先生たちはとても大変そうにしていたのを思い出しました。実際にケアカルテを体験したらとても便利で、これから就職するならこういったICTが進んでいる施設を就職先に選びたいと思いました。私たちがやりたいのは記録ではなく、利用者さんや子どものケアです。


 

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イベントを終えて…

「Tasuku Fukushi」には、昨年も弊社のスタッフを招いてくださいましたが、前回よりもさらに内容が充実しており会場は大いに盛り上がっていました。何かをきっかけに福祉に興味を持った学生の皆さんがひと言も聞き漏らさないように話を聞いてメモをする姿と、笑顔で接している佑啓会の職員の皆さんの様子を見て、たくさんのエネルギーをもらいました。
そして、ケアコネクトジャパンのスタッフたちもイベント参加を通して、佑啓会の職員の方が”ケアカルテ”のどのような機能に関心を持っているのか直で聞くことができ、現地交流だからこそ得られる知見があったと感じています。
こういった先進的な事業所さまの取り組みについて、弊社も発信し障害福祉や介護などのイメージを変えることに貢献していけたらと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

お話を聞いた施設

社会福祉法人 佑啓会
サービス 入所支援、グループホーム、日中活動支援、就労支援、相談支援、障害児支援
住所 〒290-0265 千葉県市原市今富1110-1(本部)
電話番号 0436-36-7611
サイトURL https://yukeikai-fg.jp/

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