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Long-term care Efforts

介護の取り組み

災害が起きても介護事業を中断させない
〜LINE WORKSによるBCP策定〜

社会福祉法人 雪舟福祉会 シルバーセンターセレーノ総社

5号の導入事例に引き続き、岡山県総社市にある「社会福祉法人 雪舟福祉会 シルバーセンターセレーノ総社」さまの取り組みをご紹介します。

社会福祉法人 雪舟福祉会は2018年の西日本豪雨災害がきっかけとなりBCP(事業継続計画)策定にいち早く着手し、ビジネス版LINEの「LINE WORKS」を導入しました。
緊急時の連絡以外にも、職員同士のスムーズな情報共有による業務の効率化、LINE WORKSとAmazonビジネスとの連携による事務作業の削減など、さまざまな効果をもたらしています。
今回は、LINE WORKSの導入経緯や具体的な活用シーンを「2022年度LINE WORKSアンバサダー」としてもご活躍されている「シルバーセンター セレーノ総社」事務長 守安伸聡さんに、ケアコネクトジャパン福岡支店のケアコネクター山下がインタビュアーとなりお話を伺いました。

お話を伺った事務長の守安さん(左)とケアコネクター山下(右)


導入の決め手は「誰でも簡単に使える」こと

(ケアコネクター 山下)BCPの策定を行うためにいろいろなツールがあったと思うのですが、LINE WORKSを選定されたきっかけや決め手はなんですか?

(事務長 守安さん)きっかけは、2018年に起きた西日本豪雨災害での被災です。
被災したときに連絡手段が電話しかなかったので、電話で職員約100名に安否確認や出勤が可能か確認をとったところ、ものすごく時間がかかりました。職員同士でLINEを知っている人はLINEを使って安否確認を行なってもらいましたが、そのときに圧倒的に電話よりLINEの方が早いということがわかりましたね。
そこで、緊急時でもリアルタイムで連絡が取れるように複数のビジネスチャットを検討しました。チャットの中でもLINEは普段から職員のみなさんに使われていたのと、以前の経験から災害時に役立つツールであることが確信できたので、2020年7月に「LINE WORKS」の導入を決めました。
決め手は「誰でも簡単に使える」ことです!

(山下)私たちCCJでもLINE WORKSを使って業務のやりとりをしているのですが、通常のLINEと遜色ないですし、使い手からすると操作などの違和感はないと思いますね。

(守安さん)そうですね。操作も簡単ですし気軽にやり取りができるので便利です。
スマホ所有者のLINE利用率を調べてみたら、8割の方がLINEを使っているらしいです。気になって職員全員にLINEを使っているかを確認してみたら、ガラケー以外の全職員が普段もLINEを使っていました。いまは、LINE WORKSのアカウント数を110アカウントに増やし、全ての職員が使えるように環境を整えています。

(山下)いまLINE WORKSを管理されているのは守安さんお一人ですか?

(守安さん)基本的には私が管理をしています。あとは委員会や各チームごとでそれぞれLINE WORKSのグループがあるので、グループごとでも管理をしてもらっていますね。

(山下)そうなんですね。普段も通常のLINEを使っているから、あらためて操作方法などを指導する必要がほとんどないですよね。

(守安さん)そうですね。IDとパスワードを設定して職員に渡すだけですぐ使い始められます。通常のLINEと操作が似ているので、ログインの操作方法を含め、ほとんど指導することはなく助かっています。


事前に運用ルールを策定

(山下)LINE WORKSを導入した時にガラケーの方はいらっしゃいましたか。

(守安さん)いましたよ!2、3人いたかな。職員に「これからLINE WORKSを使ってやりとりするよ」と伝えたら、みなさんこのタイミングでスマホに替えてくれました。

(山下)プライベートの携帯を業務に使う方もいらっしゃいますよね。パケット代や通知など、何か問題はありましたか。

(守安さん)LINE WORKSを使い始める前に法人内でルールを決めたので、問題はなかったです。「勤務時間以外は通知を見なくていい」「通知が多い場合は通知をオフにしてもいい」など事前にルールを決めることが重要だと思います。

(山下)しっかりとルールを決めておけば、そこまで職員さんからの反発はないんですね。

(守安さん)そうですね。施設によっては「パケット代はどうするの?」「なんで自分のスマホに入れないといけないの?」という意見はあるみたいですが、幸い私たちの施設ではありませんでした。

(守安さん)雪舟福祉会では、BCPの招集レベルによって役職ごとにLINE WORKSのグループを作り、一斉通知ができるようにしました。
あとは、BCP策定を作るためにLINE WORKSを使うと決めてから、BCPについて職員に説明をしました。「福祉施設は事業の継続をするためにBCPの策定をしないといけない」ということから「福祉施設は災害が起きた時でも雇用が守られる」というところまで。

(山下)ただ単に「業務で使うからスマホにLINE WORKSを入れてね」という説明だけでは納得されないかもしれないですよね。

(守安さん)そうですね。福祉施設としては災害が起きたとしても運営を継続していかないといけないので「BCPを作るためにLINE WORKSを使うことは大事ですよ」という説明をすることで理解してくれると思います。


雪舟福祉会×ケアコネクトジャパン
LINE WORKSの具体的な活用シーンを紹介します

(山下)普段の業務ではどのように活用されていますか?

(守安さん)多くの職員はトークや写真を送るなど基本的な使い方が主流で、便利な機能がたくさんあってもすべての機能を使いこなすことはできていません。フォルダ機能を使ってそこに書類を保管しておくことも便利だと思いますが、現場で働く職員の方が多いので、さすがにそこまでできません。なので、私や事務職員が勤務表や委員会で使う名簿などをLINE WORKSに入れるようにしています。
みなさんに周知しなければならないお知らせは、昔は紙を印刷して各部署に渡していたのですが、いまはお知らせなどがまとめて確認できるLINE WORKSの『掲示板』を確認してもらっています。

(山下)私たちCCJでも『チャット』『メール』『カレンダー』の他に、お知らせなどを載せることができる『掲示板』を活用しています。就業規則や社内ルールなども掲示板で管理していて、探す手間もなくすぐに確認できるのでとても便利なんです。

(守安さん)管理する側からすると「掲示板を見ておいてね」って言うだけなので、すごく楽ですよね。
私たちの『掲示板』もコロナウイルスの最新情報や注意喚起などをお知らせするようにしています。他にも、総社市から「ワクチン接種希望者を教えてほしい」という要請を受けたので、アンケート機能を使って「新型コロナワクチン接種意向調査」を行いました。
職員全員からすぐに回答があったので回答者のデータをCSVに変換して、市に提出する書類を簡単に作成することができましたね。

(山下)コロナ禍には最適な機能ですね!
あと、弊社では「CCJ AWARD」というのを四半期ごとに行なっているんです。「会社をより良くするためにはどうすればいいか」などの業務改善案や「ケアカルテにこんな機能があったらいいな」と思ったらA4サイズ 1枚にまとめて、LINE WORKSの『掲示板』に投稿しています。いいアイデアが出されたら当然実行に移されますし、受賞されると賞品や賞金をいただけることもあるんです!

(守安さん)会社全体を巻き込んでやるのもいいですね!
私たちはLINE WORKSの『掲示板』で「職員紹介」を始めましたね。誰が入社したかがわかるように顔写真を撮って「厨房に職員が入りました」などと紹介するようにしています。


Amazonビジネスとの連携による事務作業の削減

(守安さん)それと、LINE WORKSとAmazonビジネスを連携させたら事務作業がすごく楽になりました。LINE WORKSのチャット上で注文できるので、いつ・誰が・なにを購入したのかがわかります。以前はレシートを持ってきてもらって現金処理をしていたのですが、いまは月末に請求書が届くのでお金のやり取りは一切なくなりました。そういった事務作業や買い物に出かける時間が削減されるので、最近は「AmazonにあるものはAmazonでどんどん買って!」と言っていますね。

(山下)BCPのためにLINE WORKSを導入したけれど、普段の業務でも充分活躍できるツールだったということですね。

(守安さん)そうです!災害が起きたときにはLINE WORKSですぐに一斉通知ができるし、通常はコミュニケーションツールや購買業務ツールとして活用できます。
他にも、連絡の効率化をはかるために外部トーク連携を活用して、利用者のご家族や外部の福祉事業者のLINEとツナげてスムーズにやりとりできるんです。
LINE WORKSには便利な機能がたくさんあるので非常に助かっています!

『LINE WORKS × Amazonビジネス』の詳細はこちら▶︎


インタビューを終えて…

守安さんとケアコネクター山下のお話を対談形式でお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。インタビュー中は終始楽しそうにお話しされながらも、介護業界をさらに盛り上げていこうという姿勢が感じられました。
その中で、大きな災害時にも介護事業を止めない体制を構築するうえでLINE WORKSは非常に役立つツールであることや、緊急時以外にも日頃からコミュニケーションツールや購買業務ツールとしてもイカせていることがわかりました。
ぜひ、BCP策定を考えている施設やコミュニケーションの活性化によるイキイキとした職場づくりのためにも、LINE WORKSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

5号では「シルバーセンターセレーノ総社」さまのケアカルテ導入事例をご紹介しています。
こちらもぜひご覧ください。

お話を聞いた施設

社会福祉法人 雪舟福祉会 シルバーセンターセレーノ総社
サービス 特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、ケアハウス、保育園
住所 〒710-1201 総社市久代5127
電話番号 0866-96-0700
サイトURL https://sereno.sesshu-fukushikai.or.jp/

Coverage, editing:CareConnectJapan Yamashita,Mochizuki,Nakamura

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