「Bridge The Gaps=橋をかけよう」という基本理念に基づき、京都府内で地域に合わせた多数のサービスを提供する武田病院グループさん。2018年、半年以上かけて介護保険事業の全拠点に〈ちょうじゅ〉を導入していただき、2019年8月にバージョンアップが完了して今はケアカルテをご使用いただいています。
今回はどのようにシステム入れ替えを進めていったのか、システム連携担当次長の市川さんに当時のお話を伺いました。
伴走する提案をしてくれたのが
ケアコネクトジャパンでした
ー まず、ちょうじゅ(ケアカルテ)導入のきっかけを教えてください。
15年以上使用していた当時のシステム会社さんから「2018年の制度改正には対応できない」と連絡があり、入れ替えを余儀なくされたのがきっかけですね。2017年の4月頃だったと思います。
そこからシステム選定を始め、CareTEX関西でちょうじゅを説明してくれた担当の方に連絡を取って、すぐにデモをしてもらいました。
ー システムを検討する中で、ちょうじゅ(ケアカルテ)を選んだ「決め手」はありますか。
介護記録の電子化に重点を置いていたので使いやすかったことと、必要に応じてカスタマイズで柔軟な対応が期待できたことが「決め手」です。デモを受けた現場職員の評価も高かったです。
それから、「導入後も末永く付き合っていけるか」「ちゃんと運用開始までサポートしてくれるか」という会社としての対応も選定時は重視していました。
うちは当時55事業所だったのですが、サービスが多岐にわたり、前システムでは対象外だったサービスもありました。
しかも、制度改正までに運用を開始しなければならないという「期限付き」の難しい状況だったのですが、当時はシステム入替の大変さをイメージできていなかったんですね。
そういったうちの事情も考慮した上で、本稼働まで伴走する提案をしてくれたのがケアコネクトジャパンさんでした。
特にカスタマイズの考え方やフットワークの軽さが印象的で、会社に「若さ」を感じました。
ー 導入を進めるうえで職員さんから不安の声はありましたか?
ちょうじゅ(ケアカルテ)はほぼすべての職員が関わるシステムなので、やっぱり中にはパソコンやタブレットが苦手な職員もいまして「使えるか不安」という声はありましたね。
ただ、導入を進める中で大きな問題にはならなかったです。
当時は拠点ごとに操作トレーニングを行ってもらったんですけど、それぞれの拠点の進捗状況を見ながらこまめにサポートをしてくれたので、不安を抱えていた職員も「あれ、これはひょっとして仕事しやすくなるんじゃないか」と気づいてくれたようで、どの拠点もびっくりするぐらいスケジュール通りに進みました。
3月までにグループ全体で本稼働させる
ー 全体的にタイトなスケジュールだったと思いますが、その他も予定通りに進んだのでしょうか?
そうですね。操作トレーニングだけではなく、ハードウェアやネットワークの手配、移行データの入力作業、初回の請求業務などもほぼ予定通りに進みました。
というか、期日をちゃんと守ろうと意識して「予定通り進めるようにした」という感じですかね(笑)
担当の方が最初にちゃんと連絡窓口を決めて、スケジュールを立てて、「やることリスト(タスク管理表)」を作ってくれて、さらにそれを関係者にわかるようにしっかり説明してくれたんですよね。
導入がスタートしてからは毎週の定例会で「やることリスト」を見ながら進捗確認をして、ひたすらスケジュール通り淡々とこなしていく感じでした。
当然予定外のことがあれば「やることリスト」も変わりましたが、「3月までにグループ全体で本稼働させる」という目標が明確だったので、変更があった時もスムーズに話がまとまったことを覚えています。
ー 導入時、苦労されたポイントがあれば教えてください。
スケジュール通り進めるために苦労したことは当然いろいろあったんですけど、「それまで使っていたシステムからちょうじゅへ移行するデータの整備」は特に大変でしたね。
元々使っていたシステムに蓄積されていたデータ数がとにかく多くて(笑)
前システムからちょうじゅへ移行するために、利用者マスタと事業所マスタの登録データの整理を自前で行ったんですが、重複データを削除するという作業に非常に苦労しました。
重複しているデータの中にはどれが最新の情報かパッと見でわからないものもあったので、ひたすらExcelとにらめっこをして、ちょうじゅに持っていくデータと削除するデータを分別しましたね。
例えば、名前も生年月日も同じ利用者さんなんですけど、保険者証番号が違っていて「どっちが最新なんだろう」とか。
事業所情報では、同じデイサービスなんですけど電話番号や住所が違うとか、元々のシステムに入っていた情報を普段から整備しておけばよかったと後悔しました。
ただ、この時にちゃんとデータを綺麗にしたから、運用を始めるときに現場で大きな混乱は起きなかったのかなと思ってます。
残業時間と紙の量が目に見えて減りました
ー 導入後、職員の方の評価や導入効果はいかがでしょうか?
このコロナ禍でより実感できたのですが、ISO9001(品質マネジメントシステム)との相性もいいですし、情報共有の即時性はいうまでもなく、情報へのアクセスが容易になりました。
利用者さんや職員の情報、事業所の情報が一元管理されたのでだれかが入力していればその情報を引っ張ってくるだけでよくなりましたし、確認や連絡などのちょっとしたことも手元でケアカルテをお互い見ながら話ができるので、やりとりがスムーズになったと職員の評価は高いです。
導入効果でいうと残業時間と紙の量が目に見えて減りましたね。
1事業所とか、このサービスだけというわけではなく、グループ全体の数字を集計した時に全然違ったんですよ。
前のシステムの時は、紙で記録する運用が多かったため、紙に書くために「書き込み待ち」の渋滞なども起きていました。
ちょうじゅに運用を切り替えたことで、こういった無駄な時間や無駄な紙が削減できたように思います。
ー カスタマイズもいわゆる間接業務の改善にツナがっているのでしょうか?
そうですね、カスタマイズも活用させてもらってます。
導入後に、グループ内で「コールバック」と呼んでいるインシデントの「報告書」をカスタマイズでケアカルテに組み込んでもらったんですが、半期に1回の集計や確認がかなり楽になりました。
ただ、ケアカルテの中で承認までは行うことができないので、グループウェアも使ってフローを整備しました。
今もサービス別の会議でカスタマイズの要望をまとめたり、ルールを決めたりということを続けているんですけど、カスタマイズでできるかどうかわからないことも「こんなことってできますかね?」と、毎回相談させてもらってます。
ー 今後の課題があればお聞かせください
施設のWi-Fi環境が整いましたので、介護ロボットの導入や機器との記録連動を進めるにあたり、現場が実感できる利便性と効果的な導入をすすめていきたいと考えています。
もっと利用者さんに寄り添う時間を増やし、職員が余裕をもっていつも笑顔で仕事ができる環境を引き続き目指します。
ー 最後に、当社に対するご意見やご要望があればお願いします!
導入していただいた時も、ケアカルテがあって当たり前になった今も、変わらず「一緒にやりましょう」という姿勢で話を聞いてもらえるので安心して相談できています。
また、相談をした時にできないことがあっても、「できません」だけの回答ではなく「こうすればできます」とか「今こういうことを進めようとしています」という代替案をセットで提案してもらえるので、このあたりも非常にありがたいです。
システムに対する要望も1つ言わせていただくと、私みたいな1事業所だけではなく複数事業所に関わる職員が事業所をまたいで設定変更や集計をするときに、どうしてもまだ手間がかかる部分があるんですよね。
システムの作り上難しいのかもしれないですけど、このあたりはもっと使い勝手を良くして欲しいです。
ケアカルテの導入後も「効率化」や「ケアの質向上」について会議で意見を出し合ってる武田病院グループさま。我々も止まることなく、良い製品やサービスを提供するために進化し続けなければならないと改めて感じました。
武田病院グループさまの入所系サービスでは、ハナストの導入もスタートしていただいています!
ハナストの運用が落ち着いたタイミングで取材させていただき、またご紹介できればと思っていますので、お楽しみに!