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Long-term care Efforts

介護の取り組み

採用に効く!福祉専門学校の先生・学生が魅力を感じる職場とは

大阪保健福祉専門学校

介護業界の人材不足が加速する昨今、人材獲得競争はますます激しくなっています。そんな中「どうしたら新卒の学生さんを採用できるだろう?」とお悩みの採用担当者は多いのではないでしょうか。
今回は『介護学生が魅力を感じる施設』など新卒介護学生の採用でカギとなることについて、大阪保健福祉専門学校の藤原先生と学生の北村さん、久保田さん、松井さんに直接お話を伺いました。
 
 
■大阪保健福祉専門学校とは

看護・福祉・保育分野の総合学園。
介護福祉科に在籍する約160名の学生は、「夢プロ」など特色あるプログラムにより、介護だけではなく+αの技術を身につけようと日々学びを深めています。

※「夢プロ」…「夢を叶えるプロジェクト」
高齢者施設の利用者さまの夢をヒアリングし、学生が主体となってその夢を叶えるプロジェクト学習。プロジェクトを通して施設職員や利用者のご家族とも連携しながら、利用者さまの希望を実現する力を磨き、介護の仕事のやりがいを実感することを目指した活動です。


 

介護業界を志す学生の就活はこう変わった

―新型コロナウイルスの影響や時代の流れを感じて、対面とオンラインの両方から授業を受けられる仕組みにされたとお聞きしました。
オンライン授業が増えたことで、学生や就活に変化はありましたか?

(藤原先生)
コロナ禍で対面授業や実習が減り、複数人で話し合う機会がなく、介護の技術に自信を持つことができない学生が増えていると感じます。そのためか今の学生は、就職後の研修で「新しいスタッフを自分たちで育てていこう」という姿勢が見える施設を、より魅力的に思っているようです。学校でも、学生たちが自信を持って働けるように、話し合いや議論の技術を高める工夫をしたり、実習不足を補うケアをするなどさまざまな取り組みをしていますが、2年間という限られた期間では至らない点もあると思います。
ですから事業所の方には、学生たちが十分な対話や実習の経験を積めていないことを念頭に、研修などの学びの機会を設けていただけたらありがたいです。


 

今の学生が大切にしていること

―学生の皆さんに質問です。就活で大切にしているものや就職先に求める条件、施設のどんなところに魅力を感じるかを教えてください。

(北村さん)
事業所さんの”雰囲気”はとても重要視していました。やはり採用いただいた施設では長く働きたいですし、施設全体の雰囲気や人間関係の良さは、職員一人ひとりが良いパフォーマンスをするためにも必要だと思うからです。コロナ禍により現場での十分な実習経験を積めていないという意識があるので、研修制度が充実している施設には魅力を感じます。

(久保田さん)
私は行事やレクリエーションにも力を入れているかという点を重視しました。行事やレクは利用者さんにとって大切な楽しみの一つであり、コミュニケーションのきっかけにもなる重要な役割を担っていると思うからです。コロナ禍では実施しにくい環境になっていると思いますが、そんな中でも職員の方々が工夫しながら行事やレクを行なっている施設はいいなと感じました。

(松井さん)
就職してからも常に新しいことにチャレンジしながら成長したいと考えていたので、キャリアアップができる施設かどうかを重視していました。また、地域に溶け込んでいる施設にも魅力を感じます。介護施設は世間から少し遠く離れた存在になりがちだと思うのですが、地域と積極的に関わっている施設は素敵だなと思いました。
 

―就職したら、どんな職員になりたいですか?

(北村さん)
利用者さんのお話に丁寧に耳を傾けることができる人になりたいです。業務に追われて一人ひとりとお話しする時間が無くなってしまうという状況もよく耳にしますが、ICTの活用などで効率よく業務を行ない、利用者さんとの時間を確保したいですね。

(久保田さん)
仕事に慣れてくると、目の前の業務をただ行なうだけになることもあるかもしれないですが、いつまでも初心を忘れずに利用者さん一人ひとりを大切にしたケアをしていきたいです。利用者さんはもちろん、ご家族の方にも「あなたになら安心して任せられる」と言っていただける職員になれるよう頑張ります。

(松井さん)
私が目指すのは、そこにいるだけで場がパッと明るくなるような介護福祉士です。入職後は未熟でできないこともたくさんあると思いますが、日々の声かけやあいさつなどできることから始め、利用者さんからも職員にも頼ってもらえる人になりたいと思っています。


 

注目!オンラインセミナー開催のお知らせ
弊社のセミナーに、本記事でご紹介した、大阪保健福祉専門学校の藤原先生が登壇予定です。
ぜひお気軽にご参加ください。


 

介護業界の未来に期待すること

―今、気になっている介護業界のトピックはありますか?

(藤原先生)
私は、これからの介護テクノロジーの進化にとても興味があります。実は介護テクノロジーは、学校の教科書で数ページほどしか扱われないテーマなのですが、学生たちの関心はとても高いです。私たち講師も置いて行かれないようにセミナーに行ったり本や記事を読んだり、「介護の学生応援プロジェクト」(※)のような場で勉強する必要があると感じています。

※介護の学生応援プロジェクト…ケアコネクトジャパンが2017年から取り組んでいる社会貢献活動。介護福祉士を目指す学生に介護福祉士過程の中にわずかしかない「介護ICT」について知ってもらい、就職後の施設に新たな風を送り込んでほしいという願いを込めたプロジェクト。ケアコネクトジャパンの社員が学校に訪問し、介護ICTについて知ってもらう講義を無償で提供している。
 

―最後に、これからの介護業界に期待していることを教えてください。

(藤原先生)
卒業生たちが就職先で長く気持ちよく働くためには、介護業界全体が変わっていく必要があると思っています。そして介護業界を変えるには、やはり介護ICTの活用が欠かせないでしょう。
ケアコネクトジャパンのような業界を変えていく信念を持った企業や、高いITスキルを持った若い学生たちが、介護業界の新しい未来を切り開いていってくれることを期待しています。

お話を聞いた施設

大阪保健福祉専門学校
サイトURL https://www.ochw.ac.jp/

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