株式会社ケアコネクトジャパンが2017年から取り組んでいる社会貢献活動のひとつ「介護の学生応援プロジェクト」。このプロジェクトでは、教科書だと数ページほどしか扱われない「介護ICT」についてもっと知ってもらいたい、就職後に介護業界へ新しい風を送り届けてほしいという願いを込めて、ケアコネクトジャパンの社員が学校へ赴き無償で授業を提供しています。今回は2022年にプロジェクトに参加してくださった大阪保健福祉専門学校の藤原先生と、学生の北村さん、久保田さん、松井さんに感想を伺いました。
■大阪保健福祉専門学校とは
看護・福祉・保育分野の総合学園。
介護福祉科に在籍する約160名の学生は「夢プロ※」など特色あるプログラムにより、介護だけではなく+αの技術を身につけようと日々学びを深めています。
※「夢プロ」…「夢を叶えるプロジェクト」
高齢者施設の利用者さまの夢をヒアリングし、学生が主体となってその夢を叶えるプロジェクト学習。プロジェクトを通して施設職員や利用者のご家族とも連携しながら、利用者さまの希望を実現する力を磨き、介護の仕事のやりがいを実感することを目指した活動です。
―「介護の学生応援プロジェクト」に参加しようと考えたきっかけを教えてください。
(藤原先生)
もともと私たち学校側も、人材不足やコロナ禍による影響などさまざまな課題を抱える介護業界へ学生たちを送り出すことに、強い懸念をいだいていました。同時に、ICTを活用することで未来を切り開いていけるかもしれないと期待もしていたのです。そこで2022年に「介護テクノロジー」という講義を新設したのですが、ちょうど6月にケアコネクトジャパンの社員の方が本校に来てくださり「介護の学生応援プロジェクト」について教えてくださいました。最先端の介護ICTについて学べる機会を設けたいと思っていましたので、ぜひお願いしたいと声をおかけしたのがきっかけです。
―「介護の学生応援プロジェクト」のどのような点に魅力を感じましたか。
(藤原先生)
さまざまなテーマの授業がパッケージングされている点が魅力的でした。同じことを自分たちでやろうとすると、介護ロボットを取り扱う企業、センサー系を取り扱う企業など、それぞれとやり取りをしなければならないので、コーディネートしていただけるのはありがたかったですね。あと裏事情にはなりますが…有料で講義を提供してくださる企業さんが多い中、無料で実施いただけるという点も助かりました。
―実際に「介護の学生応援プロジェクト」の講義を受けてみて、いかがでしたか。
(北村さん)
とても楽しかったです!特に印象深いのは、睡眠状態を測定する見守り支援システムを扱った授業でした。普通なら”寝てはいけない”学校の授業で”敢えて眠って”実際に機器を体験する、というのが新鮮でした。
(久保田さん)
私はもともとあまり介護ICTに関心がなかったのですが、授業の中でスマホを使ってサッと情報を確認できるシステムや人とコミュニケーションを取ることができるロボットなどを見て、とても興味が湧きました。また、クイズ形式で回答するなど工夫を凝らした授業で、楽しく知識を身につけることができました。
(松井さん)
授業ではICTを活用するメリットが大きいことを学べた一方で、現場ではまだまだ介護ICTが普及していないことや導入する難しさがあると知ることができ、とてもためになりました。
(藤原先生)
これまでもさまざまなICTの講義をしてきましたが、その中で一番と言っていいほど、学生が楽しそうにしていたのが印象的でした。クイズを用いるなど私たち講師が思いつかない形式での授業も大変参考になり、教員たちにとっても有意義な機会となりました。
―授業を受けてみて「こんな施設で働きたい!」というイメージは見えたでしょうか。
(北村さん)
ケアカルテやハナストのような新しいテクノロジーを積極的に取り入れていて、利用者さんとの時間をより多く取れる施設で働きたいと感じるようになりました。
(久保田さん)
スマートフォンなどの機器の操作は、私たち若い世代の得意分野だと考えています。そんな私たちだからこそ活躍できる、ICT化の進んだ環境で働きたいです。
(松井さん)
変化を恐れない施設で働きたいです。若い職員でも新しいツールやその活用法をどんどん提案できる環境で、一緒に成長できる仲間もいるような施設がいいですね。
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―これからの介護業界を担う学生さんたちには、どのような介護職員になってほしいですか。
(藤原先生)
ケアの技術はもちろんですが、同時に「企画運営力・プレゼンテーション能力」を身につけてほしいと願っています。新型コロナウイルス感染症がまだまだ猛威をふるっており、利用者さんとの”距離”が生じてしまいやすい時代です。このような中でも利用者さんに寄り添ったケアを大事にしてほしい。そのため、新しいテクノロジーを使いこなせるようになるだけではなく、新しいやり方をどんどん提案できるような人材になってほしいです。
またこれからの時代は、さまざまな年齢・国籍の仲間たちと働くことになるでしょう。多彩なメンバーがそれぞれの能力を最大限に活かせるような「マネジメント能力」も、ぜひ身につけてほしいですね。