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Vietnam

ケアカルテベトナム

バイク天国ベトナム
~バイクが多いとは聞くけど…実際のバイク通勤ってどんな感じ?~

ケアコネクトジャパン現地法人 ケアコネクトベトナムよりベトナムの情報を紹介します。

 

阿吽の呼吸で行き交うバイク

バイク天国として知られるベトナム。道路ではバイクが所狭しと行き交います。
縦横無尽に走っているように見えるかもしれませんが、バイクの波には阿吽の呼吸や流れがあります。イメージとしては、渋谷のスクランブル交差点や通勤ラッシュ時のターミナル駅を歩く日本人に近いかもしれません。

ドライバーたちは周りの動きを目で追い、相手の次の動きを予想しながら、隙間をぬって前へ前へとバイクを走らせます。悠長に車間距離を取れば、ほかのドライバーに割り込まれるか、後方からクラクションを激しく鳴らされます。なかには早く進みたいがために、何かにつけてクラクションを鳴らす人も。
ロータリー交差点では、自分が進みたい方向へ少しずつバイクを寄せていき、同じ方向へ行こうとするバイクの波に乗ってしまえば、ロータリーを抜けるのもさほど難しくありません。

高速で走行する国道やバイクの通行が減った時間帯の直線道路を走る中では、スピードが出ていることで事故につながりやすいようです。一方で終日にかけて無数のバイクが走行している市街地では、常に時速25km前後のノロノロ運転。そのため追突してもゴツン程度で、謝罪や会釈をしたらそのままサヨナラということが多く、(まれに怒鳴り合いになることも…)。警察を呼んで、保険会社を通すということはまずありません。

ベトナムでヘルメット着用が義務化されたのは2007年末のこと。飲酒運転の取締りがこの数年で厳しくなり、信号待ちのマナーも年々良くなってきていて、交通安全に対する意識の高まりを感じます。

ロータリー交差点。流れに乗ってそれぞれ行きたい方向へ…

ロータリー交差点。流れに乗ってそれぞれ行きたい方向へ…

 

通学もバイクがあたりまえ 出勤前に学校までひとっ走り

通勤だけでなく通学ももちろんバイク。早朝の小学校や中学校の門前には子供をバイクで送り届けた保護者たちで溢れかえります。ケアコネクトベトナムにも子供を学校へ届けてから出勤するメンバーがいます。
ベトナムの法律ではバイクの乗車人数は運転手を含めて2人までですが、14歳以下の子供を同乗させる場合は3人までOKです。

ベトナムで走っているバイクは、ほとんどが110cc~125ccのもので、18歳から免許を取得することができます。ただし50cc以下は免許がいらないので、高校生になると50ccのバイクを運転して通学することもあります。

市街地の一般的な通勤時間はバイクで30~50分といったところ。ケアコネクトベトナムに勤めるニャットさんは自宅からオフィスの距離が12kmで片道40分(ラッシュ時)、サンさんは片道18km、45分で、渋滞がないと10分ほど早く着くそうです。一番遠い人で片道24kmをバイクで通勤しているメンバーもいます。

中央左:バイク登校する兄弟  右:バイクタクシーアプリGrabはグリーンの制服とヘルメットが目印

中央左:バイク登校する兄弟  右:バイクタクシーアプリGrabはグリーンの制服とヘルメットが目印

 

守衛さんはずば抜けた記憶力!?

オフィスビルや商業施設、公園などには広い駐輪場が整備されています。ケアコネクトベトナムが入居するオフィスビルも自動車とバイクで階層が分かれた駐車場があり、メンバーは駐輪してオフィスに上がります。駐輪場ではスクーターとバイクで駐輪エリアが分かれていることがほとんどで、守衛さんが場所を教えてくれます。

月極駐輪場の守衛さんは記憶力に長けていて、無数のバイクの所有者や駐輪位置をこと細かく覚えています。駐輪場で自分のバイクの場所が分からなくなっても、守衛さんに聞けばあっという間に見つかること間違いなし!

中央左:駐輪場に止められたバイクに腰掛ける守衛のおじちゃん

中央左:駐輪場に止められたバイクに腰掛ける守衛のおじちゃん

駐輪場によってはライトカバーやシートにチョークで整理番号を書かれることも

駐輪場によってはライトカバーやシートにチョークで整理番号を書かれることも

 

バイクはなんといっても早くて小回りが利く! でも…雨季はつらい

ケアコネクトベトナムのニャットさんとサンさんにバイクの魅力を聞いたところ、まずあがったのは「早い!」という声。写真を見ても分かるようにベトナムには自動車やバスも走っていますが、市街地の移動はバイクが一番早いとのこと。そして、自由で爽快という答えも。

一方で、バイクは天気の影響を受けやすいのが難点というお2人。出勤と退勤は涼しい時間帯ですが、特に今は乾季で日差しが強く日中は長袖や手袋が欠かせません。5月に入ると雨季、雨がっぱシーズン到来です。夕方以降に雨が降ることも多いため、仕事で疲れた後に雨がっぱを着てバイクを40~50分運転するのはなかなか大変ですね。

夕陽に向かって家路につく人々

夕陽に向かって家路につく人々

バイクはファッションの一部

かつてベトナムではホンダがバイクの代名詞とされていましたが、昨今ではヤマハやカワサキなどのバイクも大きなシェアを占めています。スポーティー、エレガント、クールなど各社から様々なコンセプトのバイクが発表されており、デザインではスクーターの人気が上昇中。

5~8年でバイクを買い替えるというニャットさんがバイクを選ぶポイントはスクーターであることとデザイン性だそう。一方でサンさんは、バイクは乗れなくなるまで乗り続けるとのこで、買い替えポイントは価格、デザイン性、頑丈さ。

南国でも遠出のときには完全防備で! 日差し、排気ガス、砂ぼこり対策がバッチリのニャットさん

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サンさんはなかなかのバイク愛好家

サンさんはなかなかのバイク愛好家

愛車とニャットさん。最近人気のスクーター HONDA SH 125i マッドなボディのバイクも映え写真のポイント

愛車とニャットさん。最近人気のスクーター HONDA SH 125i マッドなボディのバイクも映え写真のポイント

ベトナム交通警察の白バイ(HONDA) 最近ではYAMAHAやBMWの白バイも

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メトロができてもやっぱりバイクかなぁ…

ケアコネクトベトナムのオフィスがあるホーチミン市では、渋滞緩和や環境保護などの側面から都市鉄道メトロの整備が進められています。2022年中に試運転、2023年からの営業運転が開始される予定です。市民は鉄道利用についてどう思っているのか、ニャットさんとサンさんに聞いてみると・・・
お2人ともメトロが開通したら試しに乗ってはみるけれど、普段の交通手段としてはやっぱりバイクがいい!というお答えでした。電車が満員になることや、バイクのようにドアツードアで移動できなくなること、電車で通勤するとなると乗り換えしなければならなくなることなどが不便に感じるようです。

メトロができてもバイク人気は衰えない?!

メトロができてもバイク人気は衰えない?!

メトロ計画が順調に進むと、2023年にはホーチミン市の交通事情が大きく変わるかもしれません。電車も案外便利だなぁとなるのか、やっぱりバイクが一番!となるのか・・・。
メトロ開通後にケアコネクトベトナムの皆さんがどのような感想を持たれるのかが楽しみです。

Coverage, editing:CareConnectJapan Tazaki,Ogawa

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