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夜間の訪室時間を8割以上削減!人材確保と定着に寄与する見守り支援介護ロボット

株式会社バイオシルバー

介護の現場において、利用者さんの容態が急変した際の対応は、スタッフの稼働を増大させる要因のひとつです。そういった場面にITを活用することで、効率的な稼働を実現できるのなら…。この課題に取り組み導入施設で高い評価を得ているのが、株式会社バイオシルバーの見守りセンサー『aams(アアムス)』。どのような特徴を持ち、経営課題の解決に活用されているのか、同社代表取締役の原田敬三さんと、名古屋営業所所長の佐宗さんにお話を伺いました。


 

―まずは『aams』について教えてください。

(原田社長)
私たちバイオシルバーは、センサー技術を使って介護現場の”見守り機器”をつくる使命を起点として、2010年に創業した会社です。強みは独自のセンサー技術と解析のアルゴリズムシステム。aamsの特徴は「非接触・非拘束・非侵襲」を実現し、身体に何もつけず生体情報をリアルタイムに取れることです。特に優れている点は「自由度の高さ」にあると言えます。市販のセンサーを加工する作り方ではなく、自社開発のセンサーを”その都度最適化”して使用するため、用途やニーズに沿った製品を生み出しています。
aamsには12年の歴史があり、現在の機器は7代目にあたります。現場の声を拾い上げ、製品に反映することを”ものづくりのポリシー”としているため、納品したら終わりではなく、フィードバックをいただきながらブラッシュアップをしてモデルチェンジを繰り返すことを大事にしています。


 

―『aams』を導入した施設では、どのような場面で活用されることが多いのでしょうか?

(佐宗さん)
とくに「看取り」の際に活用されていると報告を受けています。
aamsは他社製品と比較しても反応が非常に速く、リアルタイムにデータを確認できると多くの施設さまに評価されています。モニターで0.5秒ごとに心拍数と呼吸数の変化が確認できるので、急変時に素早く対応することが可能となり、何かあった際の優先順位がつけやすく、職員の必要以上の稼働を抑えることにつながっています。同時に精神的な負担軽減にも役立っていると思います。「どうなるかわからないから常に目が離せない」と不安を抱えて夜勤を行なうのではなく、「状態をしっかりと確認しながら、優先順位をつけて巡回できることのメリットが大きい」と導入先のお客さまからも伺っています。

昨今の介護現場では、”夜勤担当者の減少により残された担当者は負担が増え、精神的疲労を理由に夜間勤務を断る”といった問題が見られますが、aamsがそのような負のスパイラルを断ち切る解決策になるのではと考えています。


 

―「看取りでの活用」について、もう少しくわしく教えてください。

(原田社長)
若手職員にとって最初の試練は「看取り」だと思います。ここを乗り越えると介護業界で長く働き続けられるという話を施設さまからよく聞きます。理屈ではわかっていても、最初の看取りを経験した後に退職する人が多いそうです。そこで我々が与えられるのは「心の準備」ではないかと考えています。
亡くなった状態は、慣れていないとぱっと見ただけではわからないと言われますから、呼吸をしているか鼓動はあるか、口元や胸に耳を近づけて聞き、間近で見て確認するのです。
身体を密着して確認する、これが怖い。「亡くなっているかもしれない」と心で思い、頭には知識もあり、やらなくてはいけない責任感や必要性を理解して…それでも腰がひけてしまうのです。
その場面にaamsが導入されていると心拍や呼吸が波形で現れるので、目で見て状態をリアルタイムで把握できる。aamsがあるのとないのでは、ここが大きく違います。亡くなって数秒でアラートが鳴るのはaamsの大きな特徴のひとつです。

また、翌朝になって「昨夜亡くなっていました」と報告するのではなく、リアルタイムに「たった今、亡くなりました」とご家族へ報告できることも評価をいただいています。心肺停止の時間などのデータも残るため「ここまでやってくれたんだ」という信頼にもつながります。
 

―経営課題の解決などに活用されている実例はありますか?

(佐宗さん)
ひとつは人材の観点があると思います。採用活動時に求職者が考慮すべき点として「介護ロボ」「介護記録システム」が導入されていることが、当たり前になりつつあります。そのため、施設によってはホームページ上でaamsの写真を掲載して「看取りに導入している」と紹介するところもあるほど。職場体験や実習で積極的にaamsを説明することで採用に活かし、実際に新卒を6人も採用できて効果があったと感謝されたこともあります。
また、利用者さんを集める目的でいえば、ショートステイでaamsを利用してデータをご家族に開示することをアピールしている施設もあります。その施設からは「うちでショートステイをされた方には生体データをご提供します」と宣伝することで、空きがなくなったとの報告を受けました。


 

―導入施設のスタッフの業務削減についてはいかがでしょうか?

(原田社長)
aams導入前と導入後で夜勤帯の訪室回数を大幅に削減できた報告例もあります。
福岡県の特別養護老人ホームでは、約10時間ある夜間勤務の中で2時間に1回ほど訪室を行なっていましたが、aamsを導入してからは夜勤中の訪室が1回となり、削減できた分をケアの時間に充当。サービスの質向上に寄与していると喜んでいただいています。訪室にかかっていた平均時間は、約133分から約26分にまで減少したそうです。

(佐宗さん)
安否確認のために訪室はしなくてもaamsによって状態把握がリアルタイムにできるので、必要最低限の訪室で済むようになっているようです。


 

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―この先の展開についてお聞かせいただけますか?

(原田社長)
今、介護現場のスタッフたちは容態急変への対応に追われています。その現状と厚生労働省が掲げている”データの活用”とは乖離が大きすぎる。
「見守りのIT化」は、まだまだこれからだと考えます。ですから、商品ラインナップを強化し最先端の見守りシステムを世に届けていきたいと強く思っています。世の中が必要とするもの、役に立つものをつくっていきたい。マンパワーと言われてきた介護業界に私たちのテクノロジーでどこまで貢献できるか。これがバイオシルバーの立ち位置であり、課題です。
 

〈問合せ先〉
株式会社バイオシルバー
〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-4 シルバービル1F
TEL:045-548-5478
WEBサイト:http://www.biosilver.co.jp/
 

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