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Case Study

導入事例

利用者のそばを離れずに記録入力
モバイルの効果的な活用法とは

社会福祉法人 秦ダイヤライフ福祉会 特別養護老人ホーム あざみの里

システム構成 PC:13台
モバイル稼働台数:10台

●ケアカルテ導入前の問題点

施設のオープンから約1年半はA社のシステムを利用していました。A社のシステムのうち使用していたのは請求のみで、記録は手書きで行っていました。
ケース記録や日誌等を手書きで記録していたため、業務量が膨大でした。その頃は指がつるくらい毎日たくさん書いていましたね。
さらには、利用者さんの情報を共有するのが大変だし、ケースファイルを読み返しながら情報を把握していたため、時間と手間がかかるばかりでした。その割には情報量が少ないため、十分な活用もできていませんでした。
ケース記録、日誌などの書類は公文書なので修正液も使えないし、書き足すこともできません。記録を訂正する際は取り消し線を引いて訂正印を押す、といったことをしていましたので、書類自体が汚くなってしまうという問題点もありました。


 

●ケアカルテ(ちょうじゅ)導入のきっかけ

ユニットケアの施設をオープンする際、理事長には
・集団処遇では、スピードを競うような介護が行われていた。これはケアではない。
・職員は利用者さんのことを一番理解していなければならない。
・利用者さんの横に座って、記録しなければならない。
・とにかく利用者さんの横に座ることが大事。
と言われました。これは法人の理念にも通じるところです。
手書きであろうと、コンピュータであろうと、法人の理念を職員全員が共有している中で、この「利用者さんの横に座って記録できる」ことが方針であり、こだわりでした。
施設のオープン前に、理事長が見学に行った施設にたまたま「ちょうじゅ(現ケアカルテ)」が導入されていました。
「利用者さんと話しながら記録が取れる。なんて素晴らしいことだ」と、まさにちょうじゅ(現ケアカルテ)に一目惚れでした。
導入にあたっては、他社システムは検討しませんでした。当時は他にもさまざまな業者があることも知りませんでした。
システム導入前、職員の3分の1は集団処遇が身に沁みついている職員、3分の1は新人職員という状況で、記録のコンピュータ化に対する反発も多く、記録が証明になるという認識も薄かったのですが、なにより法人の理念である「皆さまを家族の一員と考え、身近で親身なケアサポートを行う」を実現するために、利用者さんの横に座って記録できるシステムであると判断し、導入を決定しました。

もちろん、請求のシステムだけでなく、現場重視の記録システムであること、モバイル端末が使いやすいこと、現場を知るために新入社員が現場実習を行っている会社であることなども判断材料になりました。


 

●導入後の運用について

特養では、各ユニットに1台ずつiPadを配置し、食事・排泄・入浴等の実施記録はもちろん、ケアプランの実施状況を記録しています。また、家族とのやりとりや、本人と接するなかで気づいたことなども記録しています。事故・ヒヤリなどが起きた時、もしくは起きないように、日々の記録を活用しています。法人として、ケアを記録に残すことの必要性を認識し、記録の勉強会を重ね、いまでも継続しています。導入後、だんだん記録の大切さがわかってきたということもあり、記録の内容は日々進化していますよ。
導入後の効果としては、法人の理念である「利用者さんの横に座って記録する」ということが、当たり前のようにできるようになりました。
そのほかに、職員間の情報共有やご家族・関係機関との情報共有がスムーズになりました。例えば、他職種がドクターからの指示を受けたときや看護師が休みのときなど、口頭ではなくシステムで情報共有しています。
逆に、入院時、ドクターへの報告を行う際すぐに必要な情報を取り出してお渡しすることができるため、上申が確実に行えるようになりました。ご家族とのやり取りでは、伝えるべきことをしっかりとニュアンスを変えずに伝えることができるため、ご家族との情報共有が密になりました。


 

●今後の課題

あざみの里は、四国で最初のユニットケア施設です。これまでユニットケアリーダー研修を受けたり、ユニットケアの先生方との出会いを重ねてきた中で施設独自の「24時間シートの仕組み」を構築してきました。今後、「ちょうじゅ」のカスタマイズ性を活かし、「あざみの里方式24時間シート」の管理を、もっと記録と密接にしていきたいと考えています。具体的には、日課表やサポートが必要なことに対して実施記録を残していくだけでなく、実施できなかったことや、記録しにくいことをいかに記録していくか?ということに取り組んでいく予定です。また、栄養ケアマネジメントや機能訓練計画においても、これまで以上に記録を有効活用できるよう取り組んでいく予定です。

お話を聞いた施設

社会福祉法人 秦ダイヤライフ福祉会 特別養護老人ホーム あざみの里
サービス 特別養護老人ホーム
住所 〒781-0011 高知県高知市薊野北町2丁目25-8
サイトURL https://hata-dialife.jp/azamino

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