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Case Study

導入事例

現場のアイデアがシステムを創る
〜カスタマイズで業務全体の効率を改善〜

社会福祉法人 愛正会 特別養護老人ホーム 松籟荘

ケアカルテ 導入時期 2009年8月
システム構成 パソコン:75台
モバイル:45台
※法人全体の利用台数

●システム検討における記録方法やシステム化へのこだわり・方針

ユニットケアを推進していく中で、記録の「一覧化」は最初の段階で取り組むことができたが、なかなか「一元化」をすることができませんでした。
そのため、皆が情報を共有するには「自分達が使い慣れた物、自分達が使いやすい物」で記録をしていくためにカスタマイズができることにこだわりを持っていました。
また「自分達で作った物」の記録であるだけに、その責任や重要性をより感じることができると考えていました。
 

●システム導入までの運用体制

記録の「一元化」を図るために、施設内のパソコンをネットワーク化(LAN)し、エクセルなどのファイルを共有できるよう取り組んできました。
しかし、介護記録、看護記録、各種チェック表などはそれぞれの部署・職種やユニットごとに異なった物を使用しており、ネットワークで共有できておらず、その場に行かなければ確認できないという状況でした。
結局、ネットワーク(LAN)でできていたのは職員間のお知らせや情報伝達・報告のみでした。
また、ユニットケアを推進するために「24時間シート」を取り入れていましたが、施設ケアプランと24時間シートの両方を運用していくのはとても大変で、実際には日課表や24時間シートを作るだけで精一杯という状況でした。
 

●システム導入検討当時のお困りごとや課題

今までの仕組みと大きく異なることから、各部署での反対や抵抗がありました。
それでも「自分達の仕事をより合理的にし、情報を共有しやすくする」ために前向きに捉え、導入プロジェクト委員会を設けて検討を進めました。
しかし、うまく伝達ができなかったり、稼働をするまでの段取りや切り替えなど、予測しながら現場の反響を見ながら推し進めるには非常に時間がかかりました。
また、課題としてはプロジェクト委員の理解や進行は足並みが揃っていても、なかなか内部に浸透させたり意見を吸い上げるのは一部のものに限られてしまうと感じました。
 

●ちょうじゅ(現ケアカルテ)を知ったきっかけ

ユニットケアの研修施設である他施設の取り組みの中で「ちょうじゅ(現ケアカルテ)」システムを使用していることを知りました。
また、先行して同法人の障害者支援施設「愛正園」にてケアコネクトジャパンの「クレヨン」という記録管理システムを導入していたため、支援記録のIT化による効果も聞いていました。


 

●導入を決定した理由

いくつかのメーカーに施設に来ていただきプレゼンテーションをしてもらいました。そして施設内部で評価・検討を行いました。

最終的にケアコネクトジャパン「ちょうじゅ(現ケアカルテ)」に決定したのは、携帯端末(PDA)を使って記録することで業務省力化できるということだけでなく、柔軟に幅広くカスタマイズができるシステムなので「自分達の記録を自分達で作ることができる(セミオーダーで構築できるシステム)」という部分に魅力を感じたからです。
 

具体的には、松籟荘独自のアセスメントシートを組み込むことや、ケアプランと24時間シートおよび日々の記録を密接に連携させながら運用できる仕組みやカスタマイズ案を提案していただき、「自分達がやりたいこと」が実現できるんだということがわかりました。

そして、一から作り上げることでプロジェクト委員会メンバーの意識や責任感を向上させ、自分達が考えた内容が実際にシステム化されていくのを実感することで、職員の業務に対するモチベーション向上にもつながることが期待できたというのも大きかったです。
 

●導入後の主な利用体制(業務の流れ)

現場職員全員がPDAで記録しています。また、全職員がシステムを活用できるようになりました。
また、記録委員会を設置し、いまでも定期的に委員会にて検討を行っています。
委員会での検討結果も含めて、ちょうじゅ(現ケアカルテ)を使用しているなかで出てきた不都合や新たなアイデアについては、その都度ケアコネクトジャパンに連絡してカスタマイズ等の対応をしていただいています。
 

●利用するスタッフの評価

現在でも記入漏れが無い様にと、簡単なチェック表やメモ書きを利用することはありますが、大半の記録はPDAでリアルタイムに入力したり、まとめ入力をすることで、記録時間の短縮が図れています。

特に使用頻度の多い介護・看護においては「もう手書きに戻れない」と話しています。
 

●施設全体としての効果

多職種間の記録が一元化され、どこにいてもPCを開けば情報収集・確認ができるようになりました。
さらに、チームケアとしてもより深みの増した記録ができるようになりました。
導入前に大変だったケアプランと24時間シートの運用については、ちょうじゅ(現ケアカルテ)導入によりかなり改善されました。

実は、もともと「ちょうじゅ(現ケアカルテ)」にあったカスタマイズ機能では松籟荘にて考えていた「ケアプラン・24時間シートと日々の記録を連携しながら運用していく」という仕組みを実現することができず、機能が不足していたため、開発部門の方との打ち合わせを繰り返し、共同開発という形で機能強化をしていただきました。
 

この機能強化により、カスタマイズにて施設ケアプラン・栄養マネジメント・機能訓練計画を連携しながら24時間シートを作り、日々の記録と連携していくという仕組みが構築され、日常業務のなかでリアルタイムに入力される記録をもとに、ケアプランに沿ったケアが行われているか、24時間シートを目安にしたケアが実施されているか、サポートができているか等をデータとして正確かつ迅速に確認できるようになりました。

結果的に、いままで作るだけで精一杯だった24時間シートが「現実的に運用できるツール」になりました。


 

●施設運営に関して弊社サービスの活用・検討されていること

松籟荘では、PDAを使用していますが、iPadやiPodtouchといった新しい端末がリリースされているので、今後は新しい端末も検討していきたいと思っています。

また、カスタマイズ機能も強化されているようなので、ケアプラン・24時間シート・記録の運用にさらなる活用ができることを期待しています。
 

●今後に期待すること、導入システム・サポート体制などへのご意見

茨城県に「ちょうじゅ(現ケアカルテ)」を使う仲間が増え、さらにスピーディな対応・サービスを実施していただくために、ゆくゆくは茨城県に営業所を作っていただけると嬉しいです。
 

●ちょうじゅ(現ケアカルテ)でご不満な点、改善してほしい点、現在の課題

こちらの要望に素早く対応してくれるのですが、IT関係に詳しい職員ばかりではないので、やり取りの際に専門用語で話されると固まってしまいます。

機能面では、文字のポイントや色が変更できるようになってほしいという希望があります。
 

お話を聞いた施設

社会福祉法人 愛正会 特別養護老人ホーム 松籟荘
サービス 特別養護老人ホーム、短期入所生活介護
住所 〒318-0003 茨城県高萩市下手綱1951-8
サイトURL https://www.health-care.or.jp/shourai/index.php

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